減価償却について
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- 資産の中で時間の経過と共に価値が変化するものは、「固定資産」よ「繰越資産」及び「有価証券」があります。有価証券は毎期末に時価評価が絵を行いますが、固定資産と繰越資産は時間の経過と共に価値が下がり、
その変化する分を修正するために減価償却の手法を使います。
会計上では、会社の方針によって償却価格を決め、毎期償却してもかまいませんが、税法では税の公平化を規するために「耐用年数」や「償却方法」「償却率」「残存価格」「償却可能限度額」などを厳しく規定していて、その年の償却限度額を定めています。
この限度額を超えて償却した場合は、超えた部分を損金として認められません(損金不参入)。こんなことから、実務でも通常この厳しい規定にしたがって、償却限度額をその期の償却額とされています。以下これらの規定について説明します。
ただし、有形固定資産のうち土地については、時間の経過と共に価値が下がるものではないために、減価償却を行いません。
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減価償却の方法について |
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- 「定額法」
- 減価償却の用焼却額を各事業年度ごとに均等に配分して償却する方法で、毎期の償却額は一定になります。一般無形固定資産や建物に適用されます。
- 「定率法」
- 減価償却資産の期首帳簿価格(未償却残高)に対し、毎期一定割合で償却していく方法で、一般有形固定資産に適用されます。
- 「生産高比例方」
- 減価償却資産の用償却額を、生産高に応じて各事業年度に配分する方法で、鉱業用有形固定資産や鉱業権に適用されます。
- ※税法では、減価償却資産によって償却方法が定められていますが、届出によって変更することも可能ですが、建物を除く有形固定資産は、届出がない限り「定率法」。一般無形固定資産は「定額法」と定められています。
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残存価格と償却可能限度額 |
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- 有形固定資産の残存価格は、税法で一律「取得価格の10%と規定されています。ただし、この残存価格に到着しても、その資産を使用していう場合は、なを5%まで償却してもよいと定めています。この5%の限度を「償却可能限度額」と呼びます。もともと残存価格や償却可能限度額は、全償却後の資産の売却価格に撤去費用を予測したもので、無形固定資産にはこの規定は無く、0円まで償却します。
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耐用年数 |
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- 耐用年数とは、その資産の使用に耐用出来る年数を予測したもので、本来は会社の事情によって異なるのものですが、「減価償却の耐用年数等に関する省令」に資産の種類、細目、構造、用途、耐用年数などが細かく規定されています。また耐用年数に応じた定額法償却率と定率法償却率も一覧表で示されています。
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取得した固定資産の耐用年数は、右ボタンで調べください。(JapanFast 提供) |
耐用年数から償却率(定額/定率)は、右ボタンでじらべて下さい。(JapanFast
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中古資産の耐用年数について |
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- 省令に示された耐用年数は、新品を基準としたもので、中古の資産を取得した場合は、個々に資産を見積もることになります。見積もりが困難である場合は次の計算によって耐用年数を決定します。
・法定耐用年数の全部を経過した資産の場合
耐用年数=その資産の法定耐用年数
× 20%
・法定耐用年数の一部を経過した資産の場合
耐用年数=(法定耐用年数 − 経過年数) + 法定耐用年数 × 20%
ただし、算出した耐用年数が1年に満たない場合は切り捨て。2年に満たない場合は2年とします。
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年の途中で取得した場合の償却額 |
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- 事業年度の途中で使用が開始された資産については、次のように使用月数で按分します。
通常償却額 × (使用開始月から期末までの月数/12ヶ月)
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小額な減価償却資産 |
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- 税務上、取得価格10万円未満又は耐用年数1年未満の小額前科償却資産は、取得期に全額費用として計上し、損金参入すつことを認めています。さらに、取得価格が20万円未満の減価償却資産は、一括して3年間で償却することを認めています。
また中小企業(資本金1億円以下)においては、平成18年3月31日までに取得した30万円未満の減価償却資産についても全額損金参入が実を認めています。
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減価償却費の計算例 |
償却条件:3月決算の会社が1月に固定資産を以下の内容で購入使用した。
・取得価格:500,000円
・耐用年数:5年 (定額法の償却率:0.2%、定率法の償却率:0.369)
・残存価格:取得価格の10%
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■定額法の場合 原価償却費
減価償却累計額
帳簿価格
1年目 (500,000-50,000)×0.2×3/12= 22,500 22,500 477,500
2年目 (500,000-50,000)×0.2=90,000 112,500 387,500
3年目 (500,000-50,000)×0.2=90,000 202,500 297,500
4年目 (500,000-50,000)×0.2=90,000 292,500 207,500
5年目 (500,000-50,000)×0.2=90,000 382,500 117,500
6年目 (500,000-50,000)×0.2×9/12=67,500 450,000 50,000 |
■定率法の場合 原価償却費
減価償却累計額
帳簿価格
1年目 500,000×0.369×3/12= 46,125 46,125
453,875
2年目 453,875×0.369 = 167,480
213,605 286,395
3年目 286,395×0.369 = 105,680
319,285 180,715
4年目 180,715×0.369 = 66,683
385,968 114,032
5年目 114,032×0.369 = 42,077
428,045 71,955
6年目 71,955×0.369×9/12≒21,955 450,000
50,000 |
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